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ホーム > 本さえあれば、日日平安 > 2020/07/23:更新  
Column Peaceful Days 本さえあれば、日日平安

2020/07/23のコラムです。

コラムの内容
 
あるかしら書店

著者:
ヨシタケシンスケ
出版社:
ポプラ社
こんな夢を見た。
自分の家が書店になっていた。それは現在暮らしている集合住宅ではなく、生まれ育った実家のようだ。一階に二間続きの和室があるという間取りだったので間違いない。
すべての戸を開け放すと、縁側も含め結構広い空間が出現する。昔はちょっとした寄合や冠婚葬祭の全般を、その二間続きの和室で執り行っていた。法事のあと、親戚のおじさんがお酒を飲んでご機嫌にしている笑い声を台所で聞きながら、女性陣と子どもたちは「早よ、帰らんかな~」と思っていた。

その二間続きの和室に、仕事で毎日向き合っている棚と平台が設置してあり、もちろんレジもあり、書店になっているのだ。
和室なのでお客さんは座布団を枕代わりに畳の上に寝転がって本を読んでいた。縁側に腰かけ時々庭を眺めては、くつろいで読んでいる人もいた。

夢では小学生の私。お手伝いなのかレジにいて、椋鳩十の「ハブとたたかう島」を読みながら店番をしていた。当時、親に買ってもらい実際に何度も読み返していた本だ。自分も本を読んでいるので、お客さんには「早よ、帰らんかな~」ではなく、レジに本を持ってくるのは「これ読み終わるまで待って~」と思っていた。

家から歩いて行けるところに本屋さんがあったら良かったのに…、と小学生の時に夢みていたことが、(寝てみる方の)夢に出てきたのだ。ご近所どころか自分ち(家)の一階が本屋だなんて、読みながら寝落ちしても大丈夫、ガチで宿泊できる究極の書店だ。
 
その日、行きの電車内で村上春樹・著『猫を棄てる』(文芸春秋)を読んでは父のことを考えていた。啓文社と同い年で来年九十歳になる父だ。心配かけている方が親は長生きする、と勝手に思い実践中だ。
帰りの電車では、夏目漱石・原作 近藤ようこ・漫画『夢十夜』(岩波現代文庫)を読んでは幻想的な気分に浸りながら、コラムの書き始めを「こんな夢をみた。」にするのも有りだなぁ、と考えていた。

帰宅して食事をしながら録画していた『私の家政夫ナギサさん』と『ハケンの品格』を続けて見て、多部未華子も篠原涼子もどっちもイイなぁ~と思っていたら、妻から「早く風呂入って寝ろ!」と言われて従った。
お風呂から上がると妻がすでに寝ていたので、ちょっとホッとした。ヨシタケシンスケの描く世界に癒されたくて『あるかしら書店』(ポプラ社)を読んで寝た。
 
そしたら本当に、「自分の家が書店だった。」、という夢のような夢を見たのだった。

『あるかしら書店』は、「本にまつわる本」の専門店。お客さんが「○○についての本ってあるかしら?」と尋ねると、たいてい「ありますよ!」と言って、店のおじさんが奥から出してくる。このおじさん、一人でお店を切り盛りしているらしい。店前の掃除から、お問い合わせ対応、在庫チェックからの発注と忙しそうだ。でも、いつもニコニコしていて書店員の鏡のような人だ。

おじさんが紹介していた『本屋さんってどういうところ?』という本には、こう書かれている。
「本屋さんって、いい本を届けるために、いい本が未来に残るために、いい本が生まれ続けるために、日々、プロが右往左往するところ」、そして「本に助けられた人々が、本に恩返しするために本に関わり続けるところ」

右往左往しながらも本に関わり続けられるのは、とても幸せで夢のようだ。
 
  (2020/07/23おわり)
 
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