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啓文社・井上いつかさんのコラム「いつか読書をする人へ」
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ホーム > 井上いつかの「いつか読書をする人へ」 > 2020/02/27:更新  
Inoue Itsuka Review Corner 井上いつか・いつか読書をする人へ
 フィクション

2020/02/27のコラムです。
コラムの内容
 
本当の人生

著者:
アドリーヌ・デュドネ
出版社:
東京創元社
暴力的な父親と、その顔色をうかがうだけのアメーバのようなは母親。
主人公の『わたし』の宝物は四つ下の弟、ジルの温かい笑顔だった。
でもそれも、『わたし』が10歳、ジルが6歳の時おそろしい事件によって変わってしまいます。

こんなにも苦しく、希望も失われたような日々をどうして彼女はこんな風に歩めるのだろう。運命に逆らい、奪われないようにひたすら隠しながら、彼女は自身の輝きをどんどん強くしていきます。
失ってしまった弟との絆を取り戻すことが、本当の人生だ。そう彼女は盲信し、それだけを生きるエネルギーに変えて進みます。
別れてしまった分岐点を認めない、取り戻そうとする強い意思。読みながらこちらの気持ちものめり込んでしまいます。
息を殺しながら、歯を食いしばりながら読みました。

子どもの無力さはこわい。
でも、大人になるまで逃げ延びれれば、きっと自由になれる。それまでどうか、心を守りきれますように。

今、苦しんでいる誰かに届いて欲しい小説です。

 
  (2020/02/27おわり)
 
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