日没
著者:
桐野 夏生
出版社:
岩波書店
わたしたちは、いつでも見張られている。
失言を、ミスを、間違いを、勘違いを、やってもいないことを。いつ、どこから、誰にでも指を指される。
産前産後に小説『ダイナー』と映画『シューテム・アップ』を何度も何度も繰り返し見て、必死に脳と心を元の位置に押し戻したことを思い出す。ドン引きされても仕方がない。けれども、わたしたちは、頭の中だけは、わたしたちの世界ではなかったか?
目を覆うような凄惨なことがらは、見なければこの世から消えるのか。
『正義』であれば何をしてもいいのか。
歯を食いしばって読みました。
読みながら、怒りで目の前が赤くなったり、鼻血が出たり。
(2020/12/16おわり)