本作は中世ヨーロッパを彷彿とさせる世界が舞台の国産ファンタジー。
『指輪物語』や『ゲド戦記』で育った大人はもちろん、普段あまりファンタジーものは読まない方にも激推しの1冊です。

巨大な古代樹に特定の一家が住む不思議な風習・怪しい銀色の生き物等など、王道ファンタジーの肝ともいえる幻想的な世界観も効果的で、500頁近くの大作ながら、あっという間に読了しました。

この美しい世界にも権力争いが絶えず、いずれ歴史の流れに飲み込まれていくと分かっていながらも主人公ユリアのひたむきな思いと勇気に励まされ、未来へ希望が持てる壮大な展開です。続く次巻（8月9日頃発売）で数々の謎が解明されるようで、楽しみでなりません！

多くのプロ作家や本読み書店員を虜にした本書で、ぜひ皆様も「大人のファンタジー」にハマりましょう。