のほほんとした表紙とは裏腹にピリッとした内容もあるこの本の正体は…万葉集の令和版翻訳本である。
　まず万葉集とは1300年前、奈良が首都の時代に編纂された現存するわが国最古の歌集で、令和の典拠にもなった。
4500首以上の和歌が収められ天皇から役人、庶民、防人が詠んだ歌もあり幅広く多様性があるすごい歌集なのである。
本書は主に相聞歌をまさに今どきの言いまわしにアレンジして紹介している。
　例えばある女性からモテ男大伴家持に贈られた歌で古語では若干伝わりずらいがこの作者にかかれば
「また会えるやんな？次あったときは手錠かけるからね。逃がさへんからね。覚悟しといてね。」　
　
常識も価値もニュアンスも違う時代を簡単そうに見えるが現代に沿わせて、絶妙にユニークな翻訳で今も昔も変わらぬ人間らしさや感情が伝わってくる。ぜひご一読を。