子どもをもって驚いたこと。
生まれて間もないうちからそれは始まっていたってこと。

あれはなに？むこうにはなにがある？手が届くもの全てを掴みたがり、届かないものに手を伸ばして泣きわめく。
人は、生まれながら、こんなにも学びたがる生き物なんだ。
それがないとたちまち萎れてしまう花のように。
全身で『知りたい！』をシャワーのように浴びてきらきらと伸びていく。

この小説は定時制高校が舞台の物語です。
様々な理由で高校に行けなかった十代から七十代の様々な年齢の生徒たち。
でも、いつでも、いつからでも人は学ぶことができる。
彼らがぐんぐんとその芽を伸ばし、どんな花を咲かせるだろう。
その諦めも、反感も、やるせなさも、恨みも、怒りも、全てを生きる力に変えられるように。
この世界に知りたい、と手を伸ばし続けたいです。

科学部の皆が繰り返し挑む実験や、藤竹先生の授業が面白くてページを繰る手が止まりませんでした！
推しはやっぱりアンジェラ！気持ちがわかる‥歳が近いから？
岳人と佳純はがんばれ‥と祈るような思いで読みました。
長嶺さんは、一番わたしに遠い存在なので、そうなんだ！？そうだったんだ！？の連続です。

今年一番熱い青春科学小説！
という紹介文が大好きです。
『知りたい』に手を伸ばす、きらきらとした時間。
それをやめないかぎり、青春はいつでも、誰にだってある。